投資は様々ありますが、この記事では「債券」について簡単に解説します。
債券とは、国、地方公共団体、会社などが投資家からお金を借りる時に発行する「有価証券」です。
日本の債券は比較的リスクが低いと言われており、満期まで待てば、お金が戻ってきて利息も得られます。
国が発行するものを「国債」、企業が発行するものを「社債」、地方公共団体が発行するものを「地方債」と言います。
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債券投資の仕組み
例えば、あなたが国債を10万円分買ったとしたら、あなたは国に10万円を貸したことになります。
この10万円は売らずに満期まで持っておけば、10万円が返ってきて、プラスで利息を得られることになります。
社債も同じです。
あなたがある企業の社債を10万円分買ったとしたら、あなたは企業に10万円を貸したことになります。
この10万円は売らずに満期まで持っておけば、10万円が返ってきてプラスで利息を得られることになります。
債券は期間と金利が決まっていて定期預金と少し似ていますが、債券の特徴として、期間中に売買が出来る点があります。
買った値段より売った時の値段が低ければ損をするリスクがありますが、このリスクを減らしたのが「個人向け国債」です。
個人向け国債は、発行して1年を経過すれば、売買・換金が可能で元本割れはしません。
国債には2種類ある
国債は国が発行する有価証券(借用証明書)で、個人が買える「個人向け国債」と、個人以外の機関投資家や多くの投資家が購入出来る一般向けの「利付国債」の2種類があります。
これらの国債には「固定金利」「変動金利」の2種類があります。
個人向け国債
法人・機関投資家は購入できず、個人投資家向けの国債。個人向け国債は、「固定金利型」と「変動金利型」のタイプがあります。
- 固定金利型3年(満期までの期間3年)
- 固定金利型5年(満期までの期間5年)
- 変動金利型10年(満期までの期間10年)
また、金利が低い時でも最低金利保証で0.05%が保証されています。
一般向け国債(利付国債)
機関投資家を含めて個人以外の多くの投資家が購入出来るものです。
一般的なものは、固定利付き国債といって、毎回(半年ごと)の利息の額が発行時から固定されているものです。
さらに、半年ごとに利率を見直す「変動金利型」や、返ってくる元本がインフレ率によって変動する「物価連動型」もあります。
- 固定利付き国債の期間
1年/2年/5年/10年/20年/30年/40年 - 変動金利型の期間
15年 - 物価連動型の期間
10年
地方債について
地方債とは、都道府県や市町村といった地方公共団体が資金調達の為に発行する債券です。
信用度や安全度が国債と同じように高いと言われており、償還期間(返ってくる期間)は5年/10年が一般的で、個人でも10万円単位で購入が可能です。
地方債を購入することは、投資の意味合いだけではなく、地域貢献にも繋がります。
地方債には様々な携帯があります。
全国型市場公募地方債(個別債)
- 各地方公共団体が単独で発行
- 誰でも購入可能
- 5年満期/10年満期が一般的
- 不定期発行
- 途中売却可能
住民参加型市場公募地方債(ミニ公募債)
- 都道府県や市区町村が発行する債券
- 住民の行政参加意識を高めるのも一つの目的
- 資金の使用用途が具体的
- 販売地域の制限があることも多く、地域密着型
- 購入できるのは、発行される地域に居住・勤務する個人、拠点を持っている団体に制限されている場合が多い
- 3年〜7年満期が一般的
- 発行は不定期
- 途中売却可能
共同発行市場公募地方債
- 複数の地方公共団体が共同で発行する債券
- 誰でも購入可能
- 10年満期
- 毎月発行
- 途中売却可能
社債について
社債は、会社が資金調達をする為に発行する債券のことです。
銀行などからの借入と違い、会社が発行する社債は会社法上で細かく規程されていて、発行の手続きは厳格に決められています。
社債は、株式会社・合同会社・合名会社・合資会社も発行ができます。
社債は、機関投資家以外にも、個人向けにも発行されており、取り扱いは各々で異なりますが、証券会社や投資信託で購入ができます。
企業は素早い資金調達ができるようになり、投資家は銀行よりも高い利息を得ることができ、双方にとってメリットがある形となります。
一方で、企業倒産により、債務不履行のリスクがデメリットとして挙げられます。
社債は5種類
普通社債(SB)
普通社債は、英語で「Straight Bond」と言い、「SB」や「事業債」とも呼ばれています。
満期には額面で償還(返済)され、それまでの間はクーポン(利息)が支払われます。
信用度が高いほど、利息は低くなります。
転換社債型新株予約権付社債(転換社債 CB)
英語で「Convertible Bond」と言い、平成14年4月1日の商法改正までは「転換社債」と言われていました。
「新株予約権」が社債に付与された形態で、一定の条件で社債を株式に転換できます。
株式に転換すると、株式の上昇により利益が期待でき、社債のまま保有しておくと、利息が得られて額面で償還されます。
ワラント債
新株予約権が付いた社債で、この権利を「ワラント」と言います。
社債の他に、一定条件で株式を取得することができます。
また、あらかじめ決められた価格で株式を取得できる権利「ストックオプション」は、2002年4月の商法改正により「新株予約権」という名称に統一されました。
劣後債
劣後債は、普通社債と比べて利回りが高いのが特徴です。
一般的に信用度が高い企業の社債は金利が低く、信用リスクが高い社債は金利が高いです。
劣後債は、購入した投資家に対して弁済順位が低い債券となります。
倒産した企業の社債は、普通社債の弁済が終わったら、残った資産を劣後債保有車に弁済されます。
電力債
電力債は「電気事業法」に基づいて電力会社が発行する債券です。
一般の社債とは違い、一般担保が付いているのが特徴で、一般社債とは区別されます。
これにより、他の投資家たちより優先されて弁済を受けることができます。
まとめ
以上、債券について簡単にまとめてみました。
債券は比較的リスクが低いと言われていますが、社債についてはあまり理解していないまま購入するのは避けた方が良いでしょう。
倒産リスクや信用格付けもチェックし、社債それぞれの特徴をしっかりと理解されてからの方がいいですね。
投資商品はたくさんのものがあります。
お金を働かせるということは、一家の大黒柱を増やすことでもありますので、金融商品や投資商品について知識を持っておくと、リスクも分散され、より自分に合った資産形成や運用を行うことができます。
ちなみに債券は他にも「外国債」や「金融債」など種類があります。
また今後、機会があれば、それぞれの債券について詳しく解説しようと思います。
それでは。